｢再生医療等の安全性の確保等に関する法律｣について
再生医療等の分野は、社会的期待が高い一方で、関係法令などが十分整理されておらず、臨床研究から自由診療まで多様なものが混在していました。
この法律は、良質な再生医療等の研究開発や実用化が迅速かつ安全に進むよう、再生医療等を提供する医療機関や細胞加工物の製造をする事業者が守るべき基準を定めています。
- リスクに応じた再生医療の提供計画を厚生労働大臣に提出することが義務化されます。
- 医療機関が自院で治療用の細胞加工物を製造する場合は、厚生労働大臣への届出が必要になります。
- 医療機関に限られていた治療用の細胞加工について、厚生労働大臣から許可を受けた企業等への外部委託が可能となります。
- 届出を行わずに治療や細胞加工を行った場合、本法律により罰則が科されます。
リスクに応じた再生医療等提供の手続き
再生医療等をリスクの程度に応じて、３つに分類されます。
国際再生医療普及協会では、第１種・第２種・第３種すべての再生医療等提供計画にかかる審査等業務を受け入れをしております。
- （注1）「認定再生医療等委員会」とは、再生医療等技術や法律の専門家等の有識者からなる合議制の委員会で、一定の手続により厚生労働大臣の認定を受けたものをいい、「特定認定再生医療等委員会」は、認定再生医療等委員会のうち、特に高度な審査能力、第三者性を有するもの。
- （注2） 厚生労働大臣への提供計画の提出の手続きを義務付ける。提供計画を提出せずに再生医療等を提供した場合は、罰則が適用される。
特定認定再生医療等委員会について
特定認定再生医療等委員会の意義
- 国内における再生医療等の安全性の確保を遵守するための審査機関
- 再生医療等を国民が迅速且つ安全に受けられるようにするための総合的な推進
特定認定再生医療等委員会の業務内容
- 再生医療等提供機関の管理者から再生医療等提供計画について、意見を求められた場合において、再生医療等提供基準に照らし審査を行ない、その提供の適否及び提供に当って、留意すべき事項について意見を述べること。
- 再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供に起因するものとすると疑われる疾病、障害若しくは、死亡又は感染症の発生に関する報告を受けた場合において、必要があると認められるときは、その原因の究明及び講ずべき措置について意見を述べること。
- 再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供の状況について報告を受けた場合において、必要があると認められるときは、提供に当って留意すべき事項若しくは改善すべき事項について意見を述べ、又は提供を中止すべき旨の意見を述べること。
- 再生医療等の安全性の確保等その他再生医療等の適正な提供のため必要があると認められるときは、再生医療等提供機関の管理者に対し、再生医療等提供計画に記載された事項に関して、意見を述べること。
- 特定認定再生医療等委員会の設置者は、再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供を継続することが適当でない旨の意見を述べた場合において、再生医療等の安全性の確保の観点から必要があると認めるときは、当該意見を述べた旨を、厚生労働大臣に報告しなければならない。
特定認定再生医療等委員会の責任
- 特定認定再生医療等委員会が、再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供を行なうことが適当でない又は、継続して行なうことが、適当でない旨の意見を述べたとき、再生医療等提供機関の管理者は、当該意見を尊重して必要な措置をとる必要がある。
- 特定認定再生医療等委員会が、当該再生医療提供機関において再生医療等が適切に提供されていなかった旨の意見を述べたとき、再生医療等提供機関の管理者は、当該意見を尊重して必要な措置をとる必要がある。
- 特定認定再生医療等委員会若しくは特定認定再生医療等委員会の審査等業務に従事するものは、正当な理由がなく、当該審査等業務に関して、知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 特定認定再生医療等委員会の設置者は、特定認定再生医療等委員会の教育及び研修の機会を設けなければならない。
- 審査業務に関する規定と委員名簿の公表も必要である。
